マルシン ワルサーPPK/s ウルフラムHW レビュー【モデルガン】

祝!オールマルシンフォトコンテスト 優勝!!

突然すいません(苦w 全く何のことかわからないですよね。詳しくご紹介いたします。

2022年年末から、2023年年明けにかけて、私がこよなく愛するマルシン工業さん主催の「#オールマルシンフォトコントスト(無差別級)」が開催されました。

マルシンさん主催のフォトコン! これは参加せずにはいられないということで、自分も
自身の持ちうる技術の粋を結集して、作品を撮影、応募しました。

一次審査はマルシンさんの社員投票にて決定されたらしく、発表された、最終選考4作品に・・・

え、選ばれとる~!!!

この時は飲んでたお茶を危うく噴き出すところでしたよ。もうほんとビックリ、もうここに残れただけで、栄誉なんですけどね。ユーザー投票が開催され、最終的に・・・。

優勝させていただいちゃったんだZEミ★

社内選考で選んでいただいた社員のみなさま、そして、ユーザー投票で投票していただいた皆様、本当にありがとうございました。

エアガンの写真を撮り始めてはや20年。優勝の栄誉をいただけるなんて、本当に感謝しかありませんね。

と、いうことで、前置きが長くなりましたが、そのオールマルシンフォトコンテストの優勝商品、「ワルサーPPK/s ウルフラムHW」を紹介していきたいと思います!

実銃について

ワルサーPPK/sと聞いて、思い浮かぶのはやはり、映画「007シリーズ」の主人公、ジェームズ・ボンドですよね。

ただ、実は劇中、ボンドの使っているのはワルサーPPKでPPK/sではないのです。

(しかも案外使ってないんですよね。ワルサーw)

ワルサーPPK/sは、1968年にケネディ大統領暗殺事件を背景として作られた銃規制の法律の関係で小型なPPKがアメリカへ輸出できなくなってしまったため、元祖PPの大型フレームとバレルを切り詰めたPPKのスライドアッセンブリを組み合わせることで、できたモデルとなります。ちなみにアメリカでは結構売れたようですね。

サイズ感がよかったこともあり、ドイツ国内でもPPK/Eとして販売されているそうです。

と、まぁ実銃の概要はこれくらいにして、実際のモデルの紹介をしてまいりますね!

外観レビュー

箱側面には全日本トイガン安全協会のナンバリングシールと、見慣れたUMAREX製のキラキラシールがはってありました。

まずは外箱から、蓋中央には大きくワルサー社のロゴマークが入り、左側にはワルサーPPシリーズのイラストが入っていて、シンプルだけど素敵なデザインだと思います。

蓋を開けると中は白い発泡スチロールの箱になっていて、ビニール袋に包まれた本体と説明書、そしてカートがチャック袋に入った状態で入っていました。

さっそく取り出していきます。

か、かっけぇ(惚

見てくださいよこのまるで黄金律に乗っ取ったような見事なプロポーション。「見惚れる」という言葉はこういう時の為にあるんだなって思いました。そして特質すべきはやはりその質感です! もはや金属。あえてもう一度言います、もはや金属。です。マルシンさんの新素材である「タングステンポリマー」は金属と見紛うくらいの素晴らしい質感なんですよ。

まずはスライド部から見ていきましょう。

もともと手のひらに収まるようなサイズ感の銃なので、スライドもかなり小さい印象を受けます、質感は先に書いた通り金属感がすごいです。

手触りはざらざら感はなく、ただつるつるしているわけでもない、指に吸い付くような感覚を覚えるとても気持ちの良い仕上げになっています。

マズルフェイスはとてもシンプルで小さな銃口が顔が覗かせています。

近年のオートマチックを見慣れているとその簡素さに違和感を覚えるのですが、そうなんです、リコイルスプリングガイドが無いんですね。

これはPPKシリーズの採用するブローバック方式「ストレートブローバック(シンプル・ブローバック)」に起因するものです。なんだか不思議な感覚です。

(ストレートブローバックというと、モーゼルのHSc、SIGのP230、ステア―GB、コルト・ウッズマンなどが有名かな?)

なんだか小さい銃口にも理由がありまして、実はマルシンさんのPPKシリーズは、38口径版ではなく32口径版をモデルとしているためなんです。

銃口の中にはライフリングのモールドもしっかりと入っており、そしてモデルガンがモデルガンたる由縁の改造防止インサートが見えています。

マニュアルセーフティは左側からのみアクセス可能で約70度下に動かすことでセーフティが掛かります。動かすには若干力が必要です。

もちろんデコッキング機能はきちんと再現されており、ハンマーが起きた状態からセーフティを操作するとハンマーがきちんと倒れます。

あと、稀にですが、セーフティをONにしようとするとレバーが動かない時があります。こなれてくれば大丈夫かなぁと思うんですよね。

おかげ様で、非常に簡素なサイトですが、視認性は抜群です。

ただ、モデルガンなので、弾は出ないですけどね(苦w)

スライド上面にはサイトの視認性を高めるため、波型のセレーションが施してあります。

スライド右面には中央に小さなエジェクションポートが開いています。

スライドを引くともちろんエジェクションポートは全開します。

しかし、PPK/Sのこの姿、めっちゃカッコいいですね!

エジェクションポート内にはエアガンとは違いノズル等が無いのでぽっかりと開いています。見慣れてないのもありますが、なんだか不思議な感覚ですね(苦w

刻印について。さすがにワルサー社の傘下に持つUMAREXのお墨付きだけあってかなり雰囲気はいい感じで、トイガン感のある刻印は入っていません。そして何よりすごく鮮明です。当たり前といえば、そうかもしれませんが、ウルフラムHW用に新規金型になっているという可能性がありますね!

スライド左面には、印象的なリボン印のワルサー社マーク、その右側には「Carl Walther Waffenfabrik Ulm/Do. Modell PPK/S Cal. 7.65mm」とドイツ語で刻印されています。

直訳すると「Carl Walther Waffenfabrik」は「カール ワルサー武器工場」、「Ulm/Do.」は調べてみたのですがハッキリとしたことはわからず、ワルサー社の公式HPの歴史のページを参照すると、第二次世界大戦後、ワルサー社はドイツ南部のウルムという都市のドナウバスティオンという場所に工場を構えていたそうなので、「Do.」は地名の略称かもしれません。

二段目にはモデル名と先にも説明した通り、口径の7.65mmの表記があります。

 

スライド右面を見ると、「Licensed Trademark of Carl Walther GmbH Germany」は、「ドイツのカールワルサー有限責任会社の商標」だよという意味です。その脇に刻印されているのはプルーフマーク、わかりにくいですが、多分「鷲にN」のマークでこれは1940年以降に製造された個体に押されるそうです。(Nは無煙火薬のことらしい)

「MFG.」に関してはちょっと詳細不明。そして最後に「7280891」の製造ナンバーとなっていて、これはモデルになった本体の製造ナンバーの様ですね(別の個体にも同じナンバーが入ってました)

エジェクションポートから見えるバレル部分にはこれといった刻印はありませんでした。

つづいてフレーム部分ですが、こちらもスライドと同じ非常に質感のいい仕上げになっています。フレーム中央にあるボタンはマガジンキャッチです。マガジンキャッチは少し固めですが、これもそのうちこなれるかと思います。

グリップパネルはプラ製でシボの大きなチェッカリングが施されており、食い込みがいいので、操作の際に手を滑らすというのはあまり考えにくいかと思います。両面上部に大きくワルサーのロゴが施されています。

グリップは前後幅が約45mm、左右幅は約28mm、周囲は約12.5mmとほどよいサイズ感でとても握りやすいです。マガジンが無い状態だと、小指が遊ぶくらいコンパクトです。あとこれはあくまで私の場合ですが、マガジンキャッチを操作するには若干の持ち替えが必要ですね(苦w

グリップ背部には特に滑り止めの加工等はされていません。ひんやりとした心地よい肌触りです。パーティングラインは綺麗に処理されていて、ほとんどわからないですね。グリップ底部としっぽの先のあたりに若干それらしい痕跡が見える程度です。

トリガー周りはワルサーPPシリーズの特徴的な部分ですよね。

トリガーガードはスライドを分解する際のピンの役割になっています。

詳しくは下で紹介します。

トリガーの幅は約7mmと幅広で前面にはセレーションが入っており、操作性を上げてありますね。

パッと見ると、トリガーもトリガーガードも金属に見えるのですが、どちらにも磁石はくっ付きませんでした、トリガーガードの方は見えない部分にパーティングラインは残っているのですが、見える部分はもともと分かれているとはわからないほどきれいに処理がされています。

スライドやフレームとは違う仕上げ感を出してくるところ、とてもマルシンさんの気合を感じられますね。

最後は、マガジンと専用のカートです。

エアガンと違うという意味ではマガジンが最も違うかもしれません。外装はスチール製の様で磁石がくっつきます。両側面には残弾確認用の穴がきちんと開いていて中にはスプリングが見えます。いやぁ実に本物っぽいですw

カートの方も弾頭と薬莢がきちんと塗り分けられていて、リアル感がありいいですね。ちなみにプライマー部分もシルバー色になっています。

他のマルシンさんのPPシリーズだと標準で5発のカートが付属しているのですが、今回はマルシンさんのご厚情でフルロードできる8発入れていただきました。ありがたい!

と、いうことで、外装の大まかなレビューになりました。今回、人生初のモデルガンということになったこのPPK/S ウルフラムHW。はっきり言って初めてにするにはもったいないくらいの完成度なのだと、触りながら恐縮してしまいました(苦笑)

ですが、何事も始めが肝心とも言います! なので今回はちょっといつもと違うレビューをしようと思います!

比較レビュー

はい、新企画比較レビューです。比較レビューとはなんぞな? とお思いのことでしょうが、読んで字がごとく比較しちゃうんですよ! 何と比較しようって? そんなの・・・

現行のマルシン ワルサーPPK/S ブラックヘビーウエイトに決まっているでしょう!!!(爆w

はい、というわけでね。買っちゃったZEミ☆

今回は、このブラックHWと今回入手させていただいたウルフラムHWを比較していこうという企画になります

ちなみにこちらのモデルは2023年3月現行モデルで、楽天市場のエアガン・モデルガンのミリタリーショップ「HBLT」様で購入させていただきました。

と、茶番はこのあたりにしておいて、さっそく2つのモデルを比較していきたいと思います!

まずは外箱から

比べてみるとシールの貼ってある場所が若干違ったりしましたが、基本的には同じ箱が使われています。ただブラックHWの方には上でご覧いただいたモデル名お値段等が描かれたシールがはってありますが、ウルフラムにはそれがありません。

蓋を開けると内容物は若干違いました。ブラックHWの方はカートが5発、5発分のOリングとキャップ火薬を押し込むための黄色い棒が入っていました。

ばばーん!!

まず持ってわかる明らかな重さの違い、そして、触るとわかる明らかな仕上げの違い、ここまで差があるとはぶっちゃけ思っていませんでした。

(なんといっても初めてのモデルガン)

それでは、つづけて細部について詳しくご紹介いたしますね。

まずは仕上げについて、画像を見ていただくとわかるかと思いますが、ブラックHWの方は光沢の無いマットでざらっとした仕上げに、ウルフラムHWの方は微光沢のあるさらっとした仕上げになっています。一概にどちらがいいというわけではありませんが、ウルフラムHWの方が実銃っぽいという点で言えば軍配があがるのではないでしょうか。そして刻印類もブラックHWに比べるとウルフラムHWの方が鮮明ですね。

トリガーやセーフティ、ハンマーなどはどうやら同じ処理がされたパーツのようです。

さて、ヘビーウェイトモデルといえばやはりここが気になりますよね。そう、重さです!

このウルフラムHWはマルシンさんの説明によると新素材の「タングステンポリマー」を使用しているとのことで、タングステンは非常に比重の重たい金属です(鉄の2.5倍とのこと) その名前を使っているということはどういうことなのか、まずは通常のブラックHWの重さですが、

443グラム

です。(マガジン込み、カートは含まず)

 




脅威の646グラム!

やばくないですか!? 正直な話、最初箱から取り上げる瞬間、こいつはやべぇなと思いました(苦w

だって、実銃のデータを参照すると、実銃の重量って652グラムらしいですからね! その差6グラムってヤバいですよね!

と、本当の意味でウルフラムHWの凄さを感じていただけたかと思います。それでは最後にマガジンについてです。

マガジンに関しても若干仕上げが違います。これは個体差かもしれませんが、ブラックHWの方が黒染めが強い感じですね。これはこれで素敵。

もちろんウルフラムHWの方のちょっと地金感があるのも好きです。

と、いうわけで、比較レビューでした。

実射・フィーリング

さて、実射・フィーリング編となりますが、最初にお伝えしておかねばならないことがございます。

マルシンさんより、こちらのモデルについて、以下のような文書が添えられておりました。

モデルガンPPK/S ウルフラムヘビーウエイト(HW)に関しまして

・ウルフラムHWにはタングステンポリマーを使用しております。

 ダミーカート仕様としてお楽しみください。

・付属するカートリッジは2022モデル発火用の外装を使用しておりますが、

 内部にスプリングを追加し、空撃ち仕様のものとなっております。

と、いうことで、楽しみにしていた方には申し訳ありませんが、こちらのモデルは発火できません。

以上を踏まえた上で、フィーリングをお伝えしていきたいかと思います。

それでは、カートについてもご紹介しておきますね。

この2022モデルから採用された新型カート、すごく雰囲気がいいですよね。

綺麗に色分けされた弾頭とカートの部分、プライマーのところはシルバーになっていて、実弾っぽい雰囲気をしっかり再現されています。

こちらは、撮影用に用意したTOPさんのRIGHTブランドで販売されている、.32AUTO弾のダミーカートと並べてみました。

ほんの少しRIGHTのダミーカートの方が大きくなっていますが、雰囲気は全く負けていませんね。

マルシンさんの補足説明にもありましたが、カートを分解してみると、中にバネが仕込まれていました。

ただ、それ以外のパーツに関しては基本同じもののようでした。

マガジンにカートを装填します。この動作ができるのがモデルガンの魅力のひとつですよね!

シングル・カラムマガジンだということもあると思いますが、スプリングも程よいテンションで8発全弾装填できました。8発目は若干力が必要ですが。

ただ、マガジンのリップ部分がかなり鋭利めで遊んでいたら多分カートに傷がつくんだろうなと容易に予想できました(苦笑)

まぁ、些細なところではあるんですけどね。

マガジン自体は自重で落下する程度に余裕のある設計になっているのですが、フルロードの状態でマガジンを本体に差し込むと最後のところで若干反発がありました、多分、機関部に先頭の玉が当たっているんでしょうね。

エジェクションポートから覗くダミーカート・・・最高か。

(ワルサーPPシリーズには外部からアクセスできるスライドストップは存在しません。こちらの写真は一旦スライドストップをかけた後、サイドマガジンを挿入しています)

スライド後端を持って、スライドの引くとそこそこ重い感じでした。

そしてスライドを解放してみると・・・

 

ジャムったww

カートが少し下向いている状態で、チャンバーの端に引っ掛かってる感じでした。どうやらこの症状、良く起こる様子w

その後も何度か試したのですが、度々発生する。

なるほど、これが「モデルガンは快調に動作させるのに調整が必要」と言われる由縁なんだなと実感できましたw

ちなみに、チャンバー内に弾が入っているかどうかは、スライド後端のインジケーター(シルバーのピンが出る)と、エジェクションポートとエジェクターの隙間(右の写真、中のカートが若干覗ける)で確認ができるようです。もちろん、このままセーフティを掛けるとしっかりとハンマーはデコッキングされます。

それでは最後に動作の調子をご覧いただきましょう。

総評

まず最初にご注意いただきたいのが、こちらのモデルは「販売品」ではないということです。

実際、マルシン工業さんから今後発売されるかもしれないモデルとは、全く違うものになるかもしれません。

その点、ご留意ください。

そのうえで、これだけは覚えておいてほしい。

ウルフラムHW、リアルすぎヤバいw

今回、長い鉄砲趣味人生で初めての”モデルガン”を触るにあたり、大変、大変貴重な体験をさせていただいたと思います。

箱から本体を取り上げた瞬間から、もう笑いが止まらないくらい興奮してしまいました。

本当に金属と見まごうばかりの外装、リアルなカートリッジ、ガチャガチャと動かす楽しみ。

どれをとっても、エアガンとはまた違う趣があると思います。

こちらのモデルがいつ発売になるのかは、今のところ全くわからないわけですが、PPK/S好きならもちろん、モデルガンを愛する人であれば、手に入れておいて間違いない、というモデルになるのではないでしょうか。

大事にさせていただきたいと思います。

最後にこの場を借りて、当方の作品を選んでいただいた、マルシン工業の社員の皆さま、そして、ユーザ投票にて投票いただいたすべての皆さまに、最大限の感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

2023/03/18:ページ公開

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